THEATER OF AUTUMN

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「判明している感染者は氷山の一角。このままでは大変なことになる」By山本シュウ 

国内のエイズウイルス(HIV)感染者・患者数が累計1万5000人を突破する中、
大阪府内で今年、新たに判明した感染者・患者数が
212人と過去最多を記録したことが29日、府立公衆衛生研究所の
まとめで分かった。200人を突破したのも初めてで、
数字には表れない「潜在感染者」も拡大しているとみられる。
半年以内に感染した初期感染者も約1割おり、12月1日の「世界エイズデー」を前に、
専門家は「氷山の一角。感染は確実に広がっている」と危機感を募らせている。

■5年で倍増
国内の感染者・患者数は、調査を始めた昭和60年以降、年々増加。
今年9月までの累計で1万5037人に上っているが
感染の判明自体を恐れて検査を避ける「潜在感染者」はさらに
多いとみられる。
HIV疫学と予防に詳しい京大医学部の木原正博教授(社会疫学)は
3〜4万人と推定。「感染者は4〜5年で倍増しており、潜在感染者も同じペースで
増加する可能性がある」と指摘している。
感染原因は同性間の性的接触が42%を占める一方、異性間の接触でも35%に上り、
特に若い世代に目立つという。

府内でも感染者・患者数は増加の一途をたどっている。
中でも、献血する際の2次感染予防検査で
見つかるケースが他府県と比べて多く、その割合は、
全国で今年新たに確認された86人のうちの
約23%にあたる20人。HIV検査を目的に献血する
「不適切利用」が多いのが原因とみられる。


■検査は満員
こうした状況に対処するため、府や大阪市は今年3月、大阪・ミナミに大阪検査相談・啓発・
支援センター「chot CASTなんば」を開設。保健所などの従来の公的検査機関と異なり、
検査時間を週2回の平日夜間や土日の午後に設定したことから、検査に訪れた人が増加した。
この結果、感染者・患者数も増えた面もあるという。

府立公衆衛生研究所ウイルス課の川畑拓也・主任研究員は「検査を受ける人が増えたのは
センター開設で利便性が高まったためだろう。しかし、まだまだ検査場所が少なく、
十分な態勢とはいえない
」と話す。

特に簡易検査でその日のうちに結果が分かる日曜日は混雑。
9月には定員の40人からあふれた
100人を断ったケースもあったという。川畑研究員は
「判明した感染者には、半年以内に感染した
初期感染の人も1割弱はおり、確実に感染は広がっている」と危惧(きぐ)している。

■不治でない
「判明している感染者は氷山の一角。このままでは大変なことになる」と警告するのは、
在阪のFM局で放送される自身のラジオ番組やライブ活動などでHIV感染予防を
訴えてきた人気DJの山本シュウさん
(44)。

「感染してどうせ死ぬんだから、これからみんなにうつしてやる」。山本さんの番組などには、
感染が判明してパニックになった10代の少女からこうした声も寄せられている。

「不治の病」と恐れられてきたエイズは、副作用やコスト面などの課題は残っているものの、
最近では治療法や発症を抑制する薬剤の研究も進んでいる。にもかかわらず、
正しい情報が浸透していないこともあり、染みついた恐怖意識から検査自体を避け、
潜在的な感染者・患者数を増やすという悪循環の図式に陥っているという。

山本さんは「エイズ=(イコール)死ではなく、予防もできる。差別や偏見が根強いが、
その前にもっとエイズについて知識を深めてほしい。そして、まさかと思っていても
検査に行ってほしい」と話している。(おわり)
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